フランスの保険代理店はフランス保険代理店免許取得者により経営されフランス保険代理店保険販売資格取得者により各種保険が紹介、販売される。フランスの保険代理店は生命保険、医療保険、年金保険、損害保険などすべての保険を取り扱っている。お客様層も個人から企業までを対象にしている。

フランスではお客様と保険会社が直接に契約を結ぶことも可能だが保険代理店を通して契約したとしても契約内容、保険料は同じである。保険会社に対して「お客様との直接の契約でも代理店を通しての契約でも差をつけてはならない」という法律があるためで、このことを考えるとお客様にとって代理店を通して契約した方が保険契約時、事故発生時など種々の利点がある。

フランスの保険代理店制度は次の二つに大別できる。

* 各保険会社の正規代理店 (Agent)
この代理店は各保険会社の専属でその保険会社の保険商品のみを販売する。複数の保険会社の正規代理店になることはできない。各保険会社が正規代理店網を展開している。各代理店はそれぞれの保険会社とのオンライン化が非常に進んでおり各保険のシュミレーション、保険料の計算、保険契約が瞬時に可能である。各代理店は独立採算制であるが、あたかも保険会社の社員のように業務を行い各代理店はそれぞれの保険会社の名前でお客様と契約を結ぶ。

* 法定仲介保険代理店、通称保険ブローカー (Courtier)
この代理店は種々の保険会社の保険商品を販売する。それぞれの保険会社の得意分野の保険商品をお客様にお勧めできる。この保険代理店はお客様である個人、または企業側の立場に立ちお客様の利益を守るべく行動をする。その為、保険代理店はお客様の要望にあった最適の保険をお客様にお勧めし、問題が発生した時もお客様に代わり保険会社との交渉を行いお客様が不利益を被らないよう最善の努力をする。

正規代理店と保険ブローカー、それぞれに利点がありどちらが良いかは一概に言えない。正規代理店と保険ブローカーの違いで保険を選択するよりはどの保険会社の、どの保険商品がお客様に適しているかで選択した方が良い。

日本とフランスの保険代理店の比較

フランスの保険代理店 日本の保険代理店
代理店制度 正規代理店と保険ブローカーが混在している。 正規代理店がほとんど。そしてフランスと違い複数の正規代理店になることが可能。近年保険ブローカー制度が許可され少数だか存在する。
代理店形態 専業代理店がほとんど。国際的な大手保険ブローカーが存在する。 専業代理店は少ない。兼業代理店がほとんど。車販売業、車修理業、不動産業などとの兼業が多い。
保険契約形態 個人、企業を問わずほとんど保険代理店を通して保険会社と契約する。 個人は普通の保険代理店を通して、企業はお抱え代理店を通して契約することが多い。
取り扱い商品 生保関連、年金関連、損保関連、すべての保険商品を取り扱っている。すべての保険商品に関し適切なアドバイスを受けることができる。 近年フランスのようにすべての保険商品を取り扱う保険代理店も出現しているが未だに生保関連、損保関連に取扱商品が分かれており両方を扱っている保険代理店は非常に少数である。
クレーム、事故対応 お客様は代理店にクレーム、事故を報告し代理店はそれに対し責任を持って対応、処理しなければならない。 お客様は代理店にクレーム、事故報告をすることもあるが往々にして保険会社に直接報告を行い保険会社とお客様の間で直接処理されることが多い。

     

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